唇の皮がむけたその先に
冬の何が嫌かって乾燥することよ。
顔がカサカサになって粉を吹いたり、水回りで作業をする人は手があかぎれになったり、のどが痛くなったり。
いいことねぇな!
僕はというと、めちゃくちゃ唇が切れる。あとむける
これがすごく辛い。
顔とか手は乾燥しないのに唇だけ乾く。
顔はどちらかというとオイリーだから
唇もオイリーだったらいいのに。
唇が切れると、もう口を使いたくなくなる。
平日とか飯が唯一の楽しみみたいなところあるのに、食べるのが辛い。
ハンバーガーとか最悪。
それに、しゃべりたくなくなる。
ただでさえしゃべらないのにより無口になる。
母音の「い」を使いたくない。口を横に広げたくない。「い」と「う」の中間で誤魔化す。
「うぃ」って感じ。
「きききりんのきき(樹木希林の危機)」が「くぃくぃくぃるぃんのくぃくぃ」になる。
拗ねても「いーーーーーーっだ!もう知らない!」とはならない「うぃーーーーーーっだ!もうすぃらなうぃ」になる。
睡眠不足も許されない。
うっかり眠くなってみ?
あくびしてジ・エンドよ。一発で目も覚めるわ。
あともう一つ、唇の皮がむける件ね。
これはもうね、見た目がよくない。汚い。
人を不快にさせてしまう。
唇が切れるのはよく見ないとバレないけど、皮がむけると白くなってとても目立つ。3m先からでも分かる。
家に忘れるたび買いなおすからからリップクリームが4本くらいある。
何でか分からないけど、同時に3本バッグに入ってることもある。
リップクリーム塗りすぎてフライドチキン食った後みたいなテカりっぷりだけど、やむなし。
唇の乾燥って舐めると一瞬収まるけど、これ罠だよな。より乾燥して泥沼にはまる。
皮がむける→汚いので皮を噛みきる→そこからまた皮がむける→汚いので皮を噛みきる→以下繰り返し
負のスパイラルが始まる。
でも、このスパイラルの先にパラダイスを発見した。
唇の皮がむけることの唯一メリット。
それは唇が超敏感になること。
唇の薄皮をすべてむいた状態。その苦しみを超えた人間にだけ訪れるノースキンリップ。
指でつついても、舐めてみても気持ちいい。
しかもこの状態になったらもうむける皮がない。つまり無敵。乾燥がなんぼのもんじゃい。
この状態でキスしたら多分めちゃくちゃ気持ちいい。
この仮説を確かめたいので、誰でもいいのでキスさせてください。